当法人は、千葉県の外房地域に拠点を構えております。
設立当初から比較すると、福祉や認知症に対する考え方が、徐々に浸透してきたと感じています。私は施設運営者として、またケアマネジャーとして、長らく認知症の方々と接してまいりました。
認知症は、誰にでも起こり得る症状です。認知症になると、不便なことは、増えます。物忘れや見当識障害などの症状は、確かに今までの生活環境が、一変します。大変なことも、あります。
認知症として生きていくということは、不安との闘いでもあります。
いままで、出来ていたことが、出来なくなるわけですから。
認知症の方の言葉に耳を傾け、表情を理解する。
つらいことや痛いことも、あるでしょう。
寂しくてしょうがない、けれども想いをちゃんと伝えることができないなんてこともあるでしょう。
そんな時は、近くで寄り添ってあげたい。そして、最後は笑っていてほしい。
認知症に関わるすべての人に、伝えたい想いです。
また、当法人として大切にしていることは、四季を楽しんでいただくということです。
「四季を楽しむ」ということは、人に与えられた特権の一つです。
春になったら、花見をし、夏にはハイキングに行き、秋は敬老を祝い、冬はみんなでおせちを食べる。
そんな当たり前の環境を提供したいと考えています。
そのためには、私たちの力だけでなく、ご家族や地域の方々、また地域に存在する様々な機関の協力が、不可欠です。さらに、それが量と質を高めると同時に、公的・非公的な社会的資源が互いに連携し、有効なネットワークを築いていく必要があります。
今後、制度の枠に縛られることなく、地域で福祉を必要としている人が何を求めているのかを汲み取り、そのための仕組みづくりに、奮闘してまいりたいと思います。
近所のおにいちゃんと公園で遊び、
近所のおばあちゃんと会話を楽しむ。
子ども会で遊園地に行って、
お父さんはご近所でお酒を興じる。
昨今、地域のコミュニティーは崩れていき、
深い関係を築く機会が減っています。
様々な要因が絡み合い、コミュニティーを
後押しする強いシステムが不足しています。
細く浅いつながりを、太く深いつながりに
するシステムが地域には、必要です。
当法人では、地域コミュニティーの中心として、「地域システムをデザインする」という
取り組みを行っていきたいと思います。
ちょっとずつ、
ちょっとずつですが……。